原始焼き囲炉裏に送風設備が必要か?
原始焼き囲炉裏の下部に取り付ける送風装置について、お問い合わせが多いのでまとめてみました。
◆空気流入のパイプのみを設置する場合
原始焼きの炭火は、七輪のような容器内ではなく、解放空間に山積みします。そのため周囲360度あらゆる隙間から空気が流入するため、下部の細いパイプから空気が流入することは、物理的に考えにくいです。炎を上げたければ下部に隙間を多くつくるように炭を積む方がはるかに効果的です。キャンプファイアをイメージしてみてください。土中にパイプはありません。
炭火は解放状態のため、周囲から空気が入り放題!
逆に空気を止めるのは難しく、燃焼しすぎることが問題です。

◆さらに送風機で強制送風する場合
〇送風のメリット
炎や火の粉が勢いよく舞い上がりますので、SNS映えします。ただ、撮影時だけでよければ小さな扇風機で十分です。その時だけ藁などを燃やして撮影することもよくあります。
〇デメリット
・炭火を送風すると1200度の高温に達します。炭火から生まれた灰が溶けてガラス状になり、送風口周辺にこびりつきます。10年使えるステンレス五徳が2週間でボロボロになった事例もあります。
送風口周りのメッシュなどのパーツにガラスがこびりつき、五徳などの劣化スピードも極端に速いので、たびたびの買い替えとメンテナンスの時間も費用も発生します。
・送風すると強い熱気と共に「火の粉」と炭火から生まれたばかりの「木灰」が勢いよく舞い上がり、上部のグリスフィルターに大量に付着して換気能力が落ちやすくなり、煙除去装置への負担も大きくなります。送風しない状態とは比較にならないほど舞い上がり、客席にも飛び散りやすく、防ぐためにより強力な排気システムが必要になります。
・原始焼きに炎は不要です。※下図参照
送風すると炭火の消費が激しくなり、場合によっては数倍の木炭を消費し、CO2(二酸化炭素)と危険なCO(一酸化炭素)の排出も数倍に増えます。日々の燃料代も排気システムやメンテナンスの経費も増えます。おおよそのところ、送風は使うことのできない強く無駄な対流熱を生み出すことをお知り置きいただきたいです。
(火種コンロでの事例です)
炭火を送風すると1200度の高温に達します。
1200度になると炭火からでた木灰がガラス状になり鉄(鋳鉄)が溶け始めます。
同様の現象が原始焼き囲炉裏の送風口で起こります。


そもそも、原始焼きは輻射熱のみ使う調理方法。炎は不要!
燃費が極端に悪くなり経費がかかるだけ、なので使用は続かないという結末に。
もし、火力(赤外線)を強くしたければ、炭火の量を増やすことです。
炭火は少ない量で送風するより、量を多くしてゆったり燃焼させる方が、長時間安定して燃焼し、調理も均一化し、作業効率もよくなります。

◆大きなリスクが・・・
もう一つ、何よりも大きなリスクがあります。炭火の下から空気が入るということは、炭火が落ちる空間があるということです。つまりパイプ内に炭粉や炭火が蓄積する場所が存在するということです。その部分にも空気を送ってしまうため、強烈な過熱の可能性があります。
炭火と接触する金属は100%間違いなく急速に劣化が進み、ステンレスでもポロポロ剥がれてそのうち穴が空きます。その見えない部分の防火対策やメンテを行う必要があり、なかなか難しいと思います。
※消防検査で通るか疑問です。
◆結果 あまりおすすめしたくありません
工事費とメンテナンス費が高額になること、何よりも防火安全面からおすすめしません。実際に長期使用されている店もほとんど存在しないと思います。
では、なぜこの手の装置が必要と思われるのか?ですが、まずは集客目的で炎を見せたい!という思いからSNSなどで拡散されてしまうようです。実店舗の運営者に聞きますと、SNS以外ほぼ不要という答えがほとんどだと思います。絶対的に反対ではありませんが、私が店のオーナーでしたら、工事にお金がかかるだけでなく、後々までかかり続けるので、導入しません。
◆もう一つ、必要と思われてしまう理由
これは推測に過ぎず、事実無根かもしれません。
送風設備にはお金がかかります。かるく数十万円はかかります。その設備屋さんはほんとに原始焼き店の実態をご存知なのでしょうか。知らずに悪気なくよかれと・・・いうこともあるでしょうか。
送風により燃焼を促進させると、給気も排気も増えるということは、給排気設備も計算上、大掛かりになっていないでしょうか。「法的に計算上必要となる」ところがミソかもしれません。 炭火は倍速以上で無駄な燃焼を続けますが、空調設備も電気代も変わらないでしょうか?
導入されるなら、このあたりご確認を!
最低3年間は送風システムのメンテ費用不要を交渉し、防火上の安全性の確認を書面で残されることをおすすめします。
※また、火災予防のため必ず消防にて送風システムの現物確認をしてもらってください。
消防の方は、火災のメカニズムをよくご存じです。
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