住宅にも必ずしも囲炉裏が必要ではなく、調理を竈で行う文化が発達しているようです。
また、囲炉裏周辺の装飾もとてもシンプルにできており、囲炉裏の熱気を拡散するための火棚もありません。
やはり温暖な地方は、夏季に火を遠ざけたいので、土間の竈の役割が大きくなるようです。
徳島県・旧下木家住宅(1781年)
土間を入ると大きな竈(かまど)と、囲炉裏と合体した座敷の竈が横並びになっています。
土間の竈は主に農作物用で、座敷の竈は調理用として、便利なように囲炉裏横に設けられています。


奥に見える上座の囲炉裏と手前が下座の囲炉裏です。

囲炉裏と合体した珍しい竈は、座敷からも土間からも薪をくべることができ、
とても合理的にできています。

上座の囲炉裏

珍しい継ぎ手です

愛媛県・旧河野家住宅
茅葺きの妻に煙出しがあります。



土間を入ると楮(こうぞ)を蒸すための大きな竈があります。
上座(奥)・下座の囲炉裏です。

香川県・旧中石家住宅
やはり囲炉裏は上座・下座に分かれています

左:上座の囲炉裏 右:下座の囲炉裏


同じ中石家ですが、こちらは別棟の隠居屋です。
こちらも囲炉裏は上座・下座に分かれています.
隠居屋のため床が低く、バリアフリー? な作りになっているそうです。

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