2012年03月12日

四国の囲炉裏

温暖な四国はそれほど特色のある囲炉裏文化は見られないように思います。
住宅にも必ずしも囲炉裏が必要ではなく、調理を竈で行う文化が発達しているようです。
また、囲炉裏周辺の装飾もとてもシンプルにできており、囲炉裏の熱気を拡散するための火棚もありません。
やはり温暖な地方は、夏季に火を遠ざけたいので、土間の竈の役割が大きくなるようです。


徳島県・旧下木家住宅(1781年)

土間を入ると大きな竈(かまど)と、囲炉裏と合体した座敷の竈が横並びになっています。
土間の竈は主に農作物用で、座敷の竈は調理用として、便利なように囲炉裏横に設けられています。
下木外観下木 土間







奥に見える上座の囲炉裏と手前が下座の囲炉裏です。
下木 下







囲炉裏と合体した珍しい竈は、座敷からも土間からも薪をくべることができ、
とても合理的にできています。
下木 下かまど







上座の囲炉裏
下木 上座







珍しい継ぎ手です
下木 下炉縁












愛媛県・旧河野家住宅

茅葺きの妻に煙出しがあります。
河野家 外観河野家 煙出し






河野家 楮
土間を入ると楮(こうぞ)を蒸すための大きな竈があります。













上座(奥)・下座の囲炉裏です。
河野家 上下











香川県・旧中石家住宅

やはり囲炉裏は上座・下座に分かれています
中石家 上下






左:上座の囲炉裏  右:下座の囲炉裏
中石家 上中石家 下















同じ中石家ですが、こちらは別棟の隠居屋です。
こちらも囲炉裏は上座・下座に分かれています.
隠居屋のため床が低く、バリアフリー? な作りになっているそうです。
中石家 隠居










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Posted by field5392 at 14:23│TrackBack(0)

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