
炭火の性質さえわかれば、火力調整はそれほど難しくありません。
炭火が消えてしまう原因
答えを先に申しますと、まずほとんどの場合、下記1)2)がその原因です。
1)炭火の量が少ない
2)空気が通りやすいように配置されていない
※多くの方が少量の備長炭を使用して失敗しておられます。
■消えやすい木炭は------------------------------------------------------------------------------------
備長炭は消えやすい

備長炭(白炭)は消えにくいと勘違いされている方が多いのですが、実は間違いです。
備長炭は炭素が緻密で空洞が少なく、炭の内部に空気が通りにくいのです。
また、炭素が緻密なため熱伝導率が高く、冷えた灰や空気で冷やされやすいため、火が消えやすいのです。


←紀州備長炭(白炭)
備長炭は消えやすい
でも、上手く使えば赤外線が強く、少量でも高火力!
細い備長炭(細備)の井桁組は特に高火力です。
黒炭は消えにくい
逆に内部に空洞の多い黒炭(ナラ・クヌギ・カシ・コナラなどなど)は、
空気が通りやすく、空気が断熱効果を発揮するので、消えにくいのです。


←ナラの黒炭
■木炭の火力を上げるには------------------------------------------------------------------------------------
火鉢や囲炉裏には灰を使用しますが、この灰の温度が曲者!
灰は熱くなるまでの間、炭火の熱をどんどん奪って炭火を消してしまうことがあるのです。
もし、炭火の下に耐火レンガなどがあれば最悪です。レンガや石材は熱伝導率が高く、どんどん炭火の熱を奪いますので、火力が上がりません。
1)多くの炭火を使用する
炭火の量が多ければ熱量が増え、灰を暖める力が強くなり、消えにくくなります。
まずは、炭火の量を増やすことが最も簡単な方法です。
たっぷり炭火があれば、まず火が消えることはありません。強すぎる火力を灰でセーブ(写真右)して使うことがポイントです。



まずは、火起こし器、一杯分くらいで・・・。
慣れれば量を減らしてみてください。
※小さな火鉢は、なるべく細く小さな備長を使って、量を減らし、
井桁組にしてください。
2)空気の通りをよくする
炭火は空気との接触で燃焼します。空気さえ送れば、どんどん高火力になります。
空気は下から上に抜けますので、下に入り口、上に出口があればよいのです。
灰に溝を掘り、木炭を井桁に組むと空気の通りがとてもよくなります。



中央部に空洞ができるよう木炭を立てかけるだけでも効果があります。
自分なりの様々な組み方で楽しんでください。
灰が十分に暖まれば、空気が通らなくても高火力をキープできます。
それでも、少なくなると消えます!
炭火の量が少なくなると火が消えてしまうことは、やむを得ません。
特に備長炭は消えやすく炭火がよほど大量なら別すが、黒炭のように灰に埋まった炭火が朝まであるということはまずありません。
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