2007年02月28日

オガ炭

(最終更新 2016年8月)

オガ炭とは   〜 
オガ炭はオガクズを圧縮成型したものを炭材とした木炭の総称です。
製品により樹種も生産方法も異なり、一様に特性を語れるものではありません。

設備投資に大きな資金が必要なようですが、オガクズを再利用し近代化した窯で大量生産するため価格が安価で、形状も均一で使いやすく品質も安定していることが多いです。
そのため業務用として圧倒的なシェアを持ちます。
炭火焼き肉店の90%以上がオガ炭を使っていると思われ、日本の木炭需要の大部分を支えています。
その理由は何と言っても低価格なためです。焼肉店などではお客様が来られてから着火していたのでは間に合わず、常に火種コンロなどで炭火を燃やし続けるのでロスが多いのです。

性能は  ※オガ炭の品質には大きく差があります。
備長炭のように炭全体が一気に真っ赤になることはなく、黒炭特有の線香のような着火をしますので、完全着火するまで赤外線の量が少ないです。
また、一般的なオガ炭は備長炭よりかなり着火しにくく、手間と時間がかかります。
そのため木炭のコストより料理の手間を優先する、高級日本料理店でオガ炭が使われることは少ないです。
白炭と黒炭の燃焼
赤外線を増やすには、十分に燃焼を進めて、オガ炭全体を赤くすることです。
ただ、種類によっては灰が多く赤外線をさえぎることがあります。一般的に灰の残量が少ないほど品質が高いと言われます。
オガ炭と備長炭をブレンドして使うお店もあります。
燃焼温度は800〜900度くらいで、一般的な木炭と同じです。温度の詳細
オガ炭の種類によりますが、燃焼時間は長く、なんといっても低価格なので広く普及しています。


黒炭・白炭の両方があります
ほとんどのオガ炭は黒炭ですが、燃焼温度を1000度ほどにまで上げ、白炭化させたものもあります。(下写真参照)
高温燃焼により、備長炭と同様の性質となり電気も通るようです。
白炭といっても備長炭のように灰をかけて消火するわけではないので、灰の付着はなく色は黒色です。
白炭には備長炭同様に臭気(煙)のないものもあります。


オガ炭の選び方
品質・価格はさまざまです。
オガ炭は中国・マレーシアなどの海外のものが多いですが、国産の高級品も多種あります。
オガクズの樹種も様々で、針葉樹・広葉樹・南洋材など木材の加工過程で生まれたオガクズや間伐材を使います。
海外製品は業者さんでさえ材料がわからいことも少なくありません。価格や産地にとらわれず品質を見極めることが大切です。
価格は10kgで1400円ほど〜4000円ほどまでと大きな差があります。※2016年(平成28年)現在
2005年ごろまでは1000円以下も多くありましたが、この1、2年でも高くなり、毎年上昇傾向にあります。
性能も大きく異なりますので、業務用として使用される場合は価格にとらわれず、各種を試してみることをおすすめします。
おおよそ価格と性能は比例するようです。
また、特性によって2種類を使い分けたり、ブレンドしたり、あえて燃焼のよくない炭を使う店もあります。
ガス火を併用するロースタータイプの場合は、できるだけ安価な黒炭を好んで使われることも多いようです。
そのため必ずしも安価なオガ炭がダメ!とは言い切れません。

★燃焼温度は判断材料になりません。
炭火料理の焼け具合は温度ではなく赤外線の量で決まります。
燃焼温度が高いことを売りにしている業者さんからは、買わない方がよいかもしれません。
ちなみにオガ炭も送風で1200度を超える高温にすることもできますが、灰が溶けてガラス状になり、
七輪やコンロは数時間でボロボロになります。強烈な炎が出て、極端に短時間で燃焼してしまいます。
1200度は現実的に何の意味もない高温ですから、最高温度で判断する意味はありません。
備長炭の温度はせいぜい800〜900度ですので、やはり赤外線の量が問題なのです。
ちなみに、赤外線の量を測定できる機器は存在しませんので、実際に焼いてみないと確認できないのです。

★灰の多いものは低火力です。
長時間燃焼させると、火が見えないほど灰に覆われるものがあります。
灰は赤外線と酸素をさえぎるので、どうしても低火力となります。
安価なものほどこの傾向が強いです。


オガ炭.jpg
四角形、六角形と形状も若干異なり、
品質により表面の質感も異なります。







着火しにくい! が、長時間燃焼
一般に焼肉店などで使われ、オガ炭と称されているものは非常に着火しにくく、備長炭よりも、さらに着火に時間がかかります。
しかし、燃焼時間が長く火持ちがよいです。(下記の特殊なオガ炭など一部を除く)
燃焼の仕方は、白炭も黒炭も同様に一般的な黒炭のように一部から燃焼します。
オガ炭は白炭でも熱伝導率が低く、備長炭(白炭)のようにすぐに全体が赤くなって燃焼するものではありません。

着火方法
火力が必要なので、火起し器に入れ、ガス火で着火させるのが無難です。
屋外なら、着火剤などでは着火させにくいので、着火しやすい黒炭や木片を同時に燃焼させることをおすすめします。
屋外では調理の2時間前に着火させることをおすすめします。
炭全体に火が回ってから、なるべく風を送らず炎が納まってから調理してください。
お店では火種コンロを使用して、お客様の来られる前に着火させておくのが一般的です。

情緒がないところが残念ですが・・・
炭火特有の情緒がないので囲炉裏や火鉢での使用を嫌う方が多いですが、七輪なら安価な輸入黒炭を使用するよりオガ炭のほうがおすすめです。

備長炭は存在しません
オガ炭には「○○備長」というネーミングのものが多いのですが、オガ炭は備長炭の規定外ですから備長炭は存在しません。あくまでもイメージ?です。
備長炭の原木であるカシを使用したものも無いと思われます。



オガ炭の白炭と黒炭の燃焼---------------------------------------------------------------------------
オガ炭の白炭と黒炭の燃焼例です。
品質に大きな差がありますので、あくまでも一例としてご覧ください。
よく着火した細かい備長炭の上にのせ、無送風で放置しています。

←左の3つが白炭  →右の3つが黒炭
オガ炭 1.jpg








3時間後
送風しなければ3時間経っても、未着火部分が残っています。
オガ炭 2.jpg
←左の白炭は光っています。
赤外線量が多く炭火焼に向いています。

→右の黒炭は火力が弱く、灰が邪魔をして赤外線を遮断しています。



オガ炭 3.jpg
このように灰の多いオガ炭は、安価ですが火力がありません。







6時間後
灰をはらった状態です。
オガ炭 4.jpg
無送風のため→右の黒炭は燃焼が遅いです。
これは火持ちがよいのではなく、着火性能が劣るという方が正しいです。
送風すると黒炭の方が早くなくなります。








ハイカロ炭---------------------------------------------------------------------------------------
コーヒーの絞りカスで作ったオガ炭です。
「ハイカロ炭」は商品名です。
とても着火しやすいオガ炭で着火剤で簡単に着火し、完全着火すると臭気もなく、灰が少なく、火力があります。
火起し器を使ったガス火着火や木炭着火コンロでも簡単に着火します。

ハイカロ炭 箱

一般家庭の七輪でおすすめ品です
オガ炭なので形状的に情緒がありませんが、
趣味使用のオガ炭としては一押し!製品です。
着火剤が付属しています(屋外用)



ハイカロ炭2

完全に着火すると臭気もほとんどなく室内使用も可能です。
燃焼時間は一般的なオガ炭より短いですが、炭火料理には十分で、
コーヒー豆もなかなかやりますね・・・といった感じです。
炎が立ちやすいので、炭火焼きには、風を送らず静かに使う工夫が必要です。







簡炭:かんたん------------------------------------------------------------------------------------
ナラ、カシのオガクズから作られたオガタンです。(中国製)
「簡炭」は商品名で、ライターで簡単に着火することから付けられた名のようです。
マッチ練炭やマッチマメタンと同様にライターで着火するとシュ〜っと火薬が燃焼するように表面の火が広がって着火します。
着火が簡単というのは本当に魅力的です。
数分間強烈な煙と臭気が出ますので室内使用不可です。
また、完全に着火するまで時間がかかり、強い臭気がありますので、その間は室内への持ち込みやデリケートな食材の調理は避けた方が無難です。
揮発性はないので長期保管ができます。
燃焼時間は上記の一般的なオガ炭より短いです。
簡炭簡炭 3







灰がすごくしっかりしていて、ウチワで扇いだくらいでは飛んでくれません。
この灰が赤外線を遮断して火力を落としてしまう欠点がありますが、簡単、確実着火は魅力的です。
簡炭 3

右側が燃焼後の灰
持っても崩れないです。







ヤシガラ炭---------------------------------------------------------------------------------------
ヤシガラを原料にしたもので、エチルアルコニルなどを浸透させてあり、簡単に着火します。
七輪の燃料にもなりますが、できれば着火剤としての使用がおすすめです。
黒炭 ヤシガラ.jpg












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Posted by field5392 at 13:52│TrackBack(0)

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