◆囲炉裏の炉の構造◆------------------------------------------------------------------------------
地炉(じろ) 炉の原型
もともとは家内の地面を炉としていました。
竪穴式住居の時代はこの地炉でした。
これは大内宿本陣(福島県)の地炉ですが、座敷にも囲炉裏があるので、
主に土間での調理や土足で暖をとる際に使われていたと思われます。
土間に囲炉裏框(かまち)を置き、周囲に茅やムシロを敷いています。
床上での生活の前身となるものです。
凸型炉(地面から凸に盛り上がっています)
板の間の囲炉裏です。
床上の生活になったことで、囲炉裏の炉は土を盛って凸型になります。
現在もブロック積みやコンクリートで凸型にした囲炉裏(下記)が多くありますがこれが原型です。
藁を練りこんだ壁土で炉を成型しています。
コンクリートより味があるので、飲食店のインテリアによさそうです。
近年の凸型炉 ブロック積みコンクリート炉
最近の囲炉裏に多い構造で、昔ながらの凸型囲炉裏の近代バージョンです。
地面をコンクリートでならしてブロックを積み上げ、モルタルで仕上げています。
炉が深くなるので大量の砂利を入れることが多いです。
大雨で床下が浸水すると砂利を伝わって、木灰が台無し
になることがあります。
床下の湿気で
カビ、臭気を発生させないためにもしっかり防水を。
※上質の木灰を入れる場合は、砂利と灰が混じらないように断熱ボードなどで仕切ることをおすすめします。
工事も大変、撤去も困難なので、あまりおすすめできない工法かと思います。
ブロック積み、レンガ貼りの炉です
■鉄炉(吊り下げ式)
私がお勧めする炉です。
鉄板で作った炉をはめ込んで、囲炉裏框(かまち)で押さえた簡単なものです。
お勧めする理由
○工事が簡単で早い。
○ローコストです。
○床下に余分な構造物ができない。リフォーム、撤去も簡単です。
○床下からの湿気を伝えない。床下は空間のため風が通ります。
○1階の場合、鉄炉をはずすと人が出入りでき、床下点検口として使える。
○2階やビル内の囲炉裏にも応用できます。
※炉の深さは20cm以内で十分です。必要のない砂利も入れなくてすみます。
※鉄炉は鉄板に耐熱塗装をしたものです。
↓一般的なサイズ 内寸600×600 深さ150 鉄板厚1.6
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↓かなり大きなサイズ 内寸1600×800 深さ180 鉄板厚2.3 (2分割の鉄炉)
この囲炉裏は内寸1600×800で
鉄板の厚みは2.3mmですが、人が乗ってもまったく問題のない強度です。
この囲炉裏は大きいので2分割して繋いでいます。
1つだと重量が30kgほどにもなり運びにくくなります。
2階の板床の場合は上げ底にして耐火ボードを敷き、さらに10cmほどの空間を設けて炉がのるようにします。
熱の遮断には空気の流れる空間をつくることが肝心です。
(長野県 M邸様の囲炉裏)
こちらも鉄炉(吊り下げ式)です。
フローリングを開口し、鉄炉をはめ込み、さらに囲炉裏框を置いています。
当社の
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囲炉裏料理店の炉
このお店の囲炉裏も上記七輪本舗の囲炉裏を参考に「吊り下げ式」で作られています。
ブリキ板で下地を作っています。
下は空間があり、コンクリートスラブです。
同様の鉄製の炉です。
炉は取り出せるように取っ手が付けられています。
炉ごと引き抜いて、灰を出して掃除しやすくなっており、
飲食店ではおすすめの方法です。
取っ手が炭火の加熱で熱くなりますが、火傷するほどではありません。
框で押さえて完成です。
大きな囲炉裏も同様の方法です。
鉄炉は大きいので分割し、ネジ接合されています。
鉄炉の上に35cm角の珪藻土板を敷いて、
セラミック灰が入れられています。
1200×500の鉄炉 囲炉裏の店舗用として9台製造しました。
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