この木炭の燃焼温度の測定は、前項の木炭の燃焼時間の実験中に各木炭の温度を測定したものです。
※マングローブ炭は木炭の形状の問題で温度が上がらなかったので結果を表示していません。
また、その他の木炭も木炭の大きさや形状により、温度が大きく変化するものと思われますので、あくまでも目安としてください。
七輪の温度で炭火の温度が大きく変化するため、
全て別々の七輪を使用しています。
七輪の空気口は「開口」しています。
◆紀州備長炭
着火後2時間ほどで七輪の加熱が止まり、760度位で安定します。
備長炭は低温です 備長炭は内部に空気が通りにくく、温度を低く保つ分、火持ちがよいのです。
備長炭は火力が強いと言われるのは、温度ではなく赤外線の強さなのです。
ウチワで送風すると870度ほどに上昇します。
※備長炭でも条件次第で1200度を超える高温になります。
◆楢(なら)切炭・黒炭
着火後40分ほどで1020度まで上昇し、以後870度ほどで安定します。
黒炭は白炭(備長炭)より木炭内部に空気が通りやすく、高温になりやすいです。その分、一気に燃焼するので火持ちが悪いです。
ちなみに一度1000度を超えるとカロリー消費のため、送風しても二度と1000度を超えません。
◆オガ炭
オガ炭も830度ほどで安定します。
最高温度も870度ほどと備長炭と近い傾向があり、火持ちがよいです。
高火力とは?
炭火料理を前提とした場合、高火力の木炭とは赤外線の発生量が多く、炎が少ないものであって、温度が高いという意味ではないのです。
一般的な炭火料理は食材が綺麗にこんがり焼ける赤外線(輻射熱)が必要で、黒コゲになる炎(対流熱)は不要なのです。
そのため、温度が低くても備長炭は高火力と言われるのです。
業界人でも備長炭は温度が高いと思い込んでおられる人が多いですが、それは間違いです。
高い温度をうたい文句に木炭を販売されている業者さんもおられますが、炭火料理に温度はあまり関係ありません。
ちなみに、赤外線量を測る機器は存在せず、赤外線を数値で示すことはできません。
七輪の空気口の調整による温度変化はこちらをご覧ください。
七輪で使う各種燃料の詳細はこちら「七輪の燃料」をご覧ください。
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