4種類の木炭の着火時間
4種類の木炭をおおよそ同じ条件で着火させ、着火に必要な時間を計った実験です。
(おおよその目安にすぎません)
木炭は、粒の大きさ・形状、積み重ね具合、種火の火力などにより燃焼具合が大きく異なります。また、どの時点で木炭が着火したと言えるのか?などこの実験の結果には曖昧な部分があります。木炭の種類によりおおよその目安として、このくらいの差があるということをご認識ください。
着火時間は方法により大きく異なりますので「これだけの時間がかかった」という実験ではありません。
一般的な木炭4種類で実験 (全て500gの木炭です)
紀州備長炭・白炭 ≫ 楢切炭・黒炭 ≫ マングローブ・黒炭 ≫ オガ炭
七輪に火種として小粒の備長炭を
敷き詰めて着火させます。
余談ですが、急いで着火させる時は火種を上にして、
新しい木炭を七輪と火種で包み込むと早く着火します。
■紀州備長炭・白炭 →45分
代表的な高級備長炭で、料理人も好んで使うものです。
純度の高い炭素で、炎が立たず無臭で赤外線が多く、火持ちはよいが着火しにくい木炭と言われます。
着火時間:45分くらい
15分間種火にのせ、1/3ほど着火した後に七輪に移動。
45分ほどで十分な火力を得るほどに着火。 白炭と黒炭の燃焼の違いはこちら
■楢切炭・黒炭 →25分
ごく一般的に普及している楢(なら)の黒炭です。
岩手県で多く生産されており、ホームセンターなどでも販売されています。
室内ではやや匂いが気になりますが、炭火料理によい木炭です。生産者名の記載されたものをご購入ください。
着火時間:25分くらい
10分間種火にのせ、1/3ほど着火した後に七輪に移動。
25分ほどで十分な火力を得るほどに着火。
焼き物をするにはさらに20分ほど燃焼させて、炎がなくなり十分に灰をかぶったころが理想的です。
■マングローブ・黒炭 →15分
屋外用、BBQ用としてアウトドア用品売り場で売られています。
残留しているガス成分が多く木炭になりきっておらず、強い臭気と大きな炎が立ち室内では使えません。
どちらかというと炭火料理よりも薪(燃料)としての使用に向いているのですが、安価なためかよく使われています。
最も着火しやすい木炭の一つです。
着火時間:15分くらい
10分間種火にのせ、1/3ほど着火した後に七輪に移動。
炎が立つので15分ほどで十分な火力を得るほどに着火。
焼き物をするには1時間ほど放置してかなり燃焼を進めないと、炎で食材が真っ黒コゲになります。
BBQで肉が黒コゲ、魚が生焼けになるのはこの炎が原因です。
■オガ炭 →60分
インドネシアなどで南洋材の粉(オガクズ)を圧縮成型したものを原木とした黒炭です。
着火しにくいですが、ローコストで火持ちがよく燃焼状態も良好なため、炭火焼肉店でお馴染みの木炭です。業務用として最も普及しているものです。
最も着火しにくい(備長炭より着火しにくいです)木炭の一つです。
着火時間:60分くらい
20分間種火にのせ、1/3ほど着火した後に七輪に移動。
60分ほどで十分な火力を得るほどに着火。
備長炭より着火しにくいので、家庭では十分に余裕をもって着火させてください。
準備時間の目安
(屋外で着火剤などを使った時の目安です。室内での火起し器(ガス火)を使うともっと短時間で準備できます。)
カセットコンロは使用厳禁!
◆備長炭→45分ほど
調理時間の45〜60分前に木炭の着火準備を
◆楢切炭→25分ほど
炎を抑えるためには調理時間の45分〜60分前に木炭の着火準備を
◆マングローブ炭→15分ほど
炎を抑えるためには調理時間の45分〜60分前に木炭の着火準備を
◆オガ炭→60分ほど
調理時間の60分以上前に木炭の着火準備を
木炭の着火で早すぎた!ということはないものです。まずは木炭着火準備! 料理の用意はその後で。
木炭は時間さえあればほったらかしでも着火するのです。
○結果は木炭の着火方法により大きく異なりますので、あくまでも目安としてください。
○炎による対流熱を使う煮炊き物なら、マングローブ炭が最も早く使える燃料となります。
○備長炭やオガ炭は調理時間の90分ほど前からのんびり着火させることをおすすめします。
○木炭は備長炭が最も着火しにくいと思われがちですが、数種類のオガ炭を試したところ、いづれも備長炭より着火しにくいようです。準備はお早めに!
七輪で使う各種燃料の詳細はこちら「七輪の燃料」をご覧ください。
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