灰ならしの種類と特徴
機能---------------------------------------------------------------------------------------
「灰ならし」は灰を美しく整えること、模様を描くことで囲炉裏や火鉢の
火元の清浄を保つことが第一の目的です。また、囲炉裏や火鉢に装飾性を持たせる役割もあります。
火元を美しく保つことは古くからの日本の文化で、特に美しく整えられた灰でお客様をお迎えすることはとても豊かな文化です。
美しい模様の描ける灰ならし、装飾性豊かな灰ならしに、少しだけこだわってみてはいかがでしょう。
素材--------------------------------------------------------------------------------------
素材は鉄製(黒色)、真鍮、ブロンズメッキなど火箸と同様で、変色も同じです。
詳細は
火箸のうんちく」をご覧ください。
また、最近はお好み焼きのコテのようなステンレス製のものもあります。
形状---------------------------------------------------------------------------------------
灰ならしは装飾性が豊かですので、基本的には他の道具と合わせて好みの形状をお選びください。
持ち手部分の形状により使い心地が異なります。
バチ形/真鍮製 写真左は新品
バチ形/鉄製
鉄製のものでも五徳や火箸のように「火」にさらされないので、あまりサビの心配はありません。
曲がり形/鉄製
スペースの小さい手あぶり火鉢などに使います。
持ち手が熱くなりません。
煙草盆(火入)用
煙草盆の火種炭を置く「火入」用の特殊な灰ならしです。
煙草盆は主に来客用のキセルの着火、灰皿として使われていました。
※下記参考まで
灰掻き(はいかき) 囲炉裏や大きな火鉢で使います。
灰掻き(はいかき)
薪を使う囲炉裏で使われる伝統的な灰かきで、灰に埋もった小さな炭をかき出す時に使います。火鉢用の小さなものもあります。
刃先(波形)の形状---------------------------------------------------------------------------
「灰ならし」の命は刃先の形状です。シャープなものでないと模様が描けません。
←このように波形の乱れた灰ならしでは、
美しい模様を描けません。
波形の角度
灰ならしの刃先の角度を実験的に3種類作り、模様を比較してみました。
左から、45度、60度、75度の波形です。
中央の60度あたりが最も美しい波形となります。右の75度では波形が崩れてしまいます。
※写真の灰は木灰(紀州備長灰)ですが、木灰にも質があり、メリケン粉のようなモロモロ感のあるもの、サラサラ感のあるものがありますので、波形も変化します。
波形の大きさ
灰ならしの波形の大きさは、囲炉裏や火鉢の炉のサイズにより選択します。大きな囲炉裏には大きな波形でないと模様が強調できません。
←クリック拡大
波形の大きさを変えて繊細な模様を描くこともできます。
「灰ならし」は火鉢や囲炉裏の大きさに合わせて選ばないと美しい模様を描くことはできません。
波形の大きさによっても随分と表情が異なるものです。
満足できる灰模様を描くには集中力が必要です。
灰ならし・火箸の販売は
こちら
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灰ならしのうんちく−2 灰ならしの選び方
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