
白川郷観光協会ホームページ
白川郷合掌造りの囲炉裏は、密集した近隣地域であるだけに、各家共ほぼ同様式です。炉の切り方、囲炉裏上部の火棚(ひあま)や五徳(金輪)の形状などかなり近いものです。

最大の特色は、この合掌造りの建物全体に囲炉裏の煙や熱が行き渡るように工夫されていることです。
暖房や調理も含め、薪が主な燃料です。

熱と煙は上に吊られた火棚にあたって、拡散、滞留し、
上階へとゆっくり昇っていきます。

火棚の効果はとても大きく、必ず各家に設けられています。
煙のヤニとススで真っ黒になっていますが、
このヤニが木材や萱を守っています。
白川郷では「火天:ひあま」と呼びます。
各家どれを見てもほぼ同じ形状です。

一階の天井の隙間
天井には隙間が多くあけられています。
3階建てにはなっていますが、一つの大空間ともいえる構造です。

これは最上階、3階です。
床一面に隙間があり、囲炉裏の熱と煙が上がってきます。
2階、3階は養蚕(かいこを育ててマユをとる)の場として使われてました。
養蚕は大切な収入源だったのです。

現在この萱を交換するには大きな家で3000万円もの費用がかかるそうです。
交換する時は村中の人が互いに協力します。
煙のヤニは塗料のように萱に付着し、雨水による腐食や害虫から守ります。
囲炉裏の煙で30年以上持った萱も、囲炉裏に火を入れなくなると
20年ほどしか持たないそうです。

煙は最終的にこの煙出しから排出されます。

30人以上もの大家族もあり、
大きな家はこのように上座・下座の2つの囲炉裏があります。
まさに囲炉裏を中心とした生活で
この囲炉裏の周りでも寝ていました。

上座の囲炉裏はお客様用に畳敷きにしたり、
木炭も使用したそうです。
大家族で大鍋を使う白川郷では、自在鉤を使わず金輪(かなわ)と呼ばれる大きな五徳を使います。



金輪(かなわ)
白川郷をはじめ、飛騨高山など岐阜県周辺で普及したようです。

自在鉤は少なく、金輪と併用されていることが多いようです。

「ねこあんか」と呼ばれるコタツです。
器に炭団(たどん)や豆炭(まめたん)を入れて布団をかけます。

近年は七輪も使用したようですが、関西と違い、
竈の普及は遅く、昭和30年代になってからとのことです。

お客様用の猫足の火鉢です。
その昔、高価な木炭を使う火鉢はお客様用だったそうです。
神田家
神田家には囲炉裏の火を監視する「火見窓」があります。
燻煙による家屋保存のため現在も薪がくべられています。築200年ほど。


神田家ホームページ

火見窓
2階から火を監視する窓です。
和田家 重要文化財
白川村合掌造り集落で最大規模を誇る建物です。築300年以上。


和田家の他 各家のご紹介(観光協会ホームページ)
日本民家集落博物館
この建物は昭和31年にダム建設による水没のため、白川村から当館に移築されたものです。築200年ほど。


日本民家集落博物館 大阪府服部緑地
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