灰ならし(灰形)は日本の文化
灰をならす、灰を美しく整え、模様を描く、という日本独自の素晴らしい文化がほとんど消えてしまったようです。
神聖な火元の清浄を保つこと、美しい模様を描きお客様を迎える習慣があったのです。
※「灰形」は茶の湯の炉の灰を整えることで、これは素晴らしく明確に確立された文化ですので、囲炉裏や火鉢では「灰模様」と言って、はっきり区別した方がよいと思います。
囲炉裏や火鉢を日常的に使っていたころは、各家庭ごとや個人ごとにその家流、その人流の灰のならし方があったこと、長火鉢や囲炉裏に美しい模様を描いて客人を迎えることはごく一般的でであったことは容易に想像できます。木炭の発明により薪を燃料とした囲炉裏から進歩を遂げ、美しい座敷内に囲炉裏が設けられ、各部屋に火鉢が配置されたころから、特に、武家屋敷や豪商の囲炉裏や江戸旦那衆が粋を競った長火鉢にはきっと美しい模様が描かれたことがあったはずです。
灰の模様は無限大。
火鉢や囲炉裏には、このようなお目出度い模様も描かれたはず。
文字を習うため、灰に字を書いて黒板代わりも使われていました。
現存する囲炉裏でも、高貴なものとして、京都桂離宮の古書院の囲炉裏をはじめ、幾つもの美しい囲炉裏が残っており、公家、武家座敷の囲炉裏には贅沢な道具が用いられ、お目出度い席にはそれなりの灰模様が描かれたのではないかと想像します。
また、全国各地の豪商、豪農と言われる古民家にもお客様を持て成す美しい囲炉裏が多く存在します。
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