2012年08月02日

囲炉裏部屋の換気と警報機の設置について

 
一酸化炭素中毒、酸欠への対処
木炭などの燃料を燃焼させると一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素は無色無臭の見えない有毒ガスで、換気を行わないと人命にかかわります。
そのため木炭などの燃焼中は、必ず定期的な換気が必要です。特に密閉度の高い小さな囲炉裏部屋では酸素欠乏が起こりやすく危険です。 
火災時の死因の一位がこの一酸化炭素中毒によるもので、あらゆる物質が燃えると発生するのです。
一酸化炭素は煙草の煙にも多量に含まれています。濃度が問題なのです。
一酸化炭素中毒の詳細はこちら
換気は、少し窓を開けておく、換気扇を回すなど普通の方法でかまいません。
木炭の燃焼だからといって、特に危険なものではなく、ガス給湯器や石油ストーブを使用の時と同様に換気すればよいのです。

一酸化炭素警報器(火災警報器)を設置すること  
囲炉裏部屋には、「一酸化炭素」の発生を感知する火災報知器を設置してください。
注意! 一般的な火災警報器は「煙」と「熱」感知が主流で、一酸化炭素を検知しないものが多くあります。
火災時には一酸化炭素が発生するため、一酸化炭素警報器は火災警報器として使われています。
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換気設備について
囲炉裏部屋の換気設備は、台所に設置されるような一般的な換気扇を設けるか、窓による換気が一般的です。
換気扇を設ける場合は、大きめの出力のある換気扇をゆっくり静かに回すことがおすすめです。
強い煙の出る調理をしなければ、囲炉裏部屋だからといって、特に大掛かりな設備が必要なわけではありません。
換気をすると大変寒くなりますので、強烈な換気は気候の良い時しかできないのが現実です。
その時だけ窓際に扇風機を立てて、外に向けて強制換気するのもよい方法です。
実際に大半の方が、大掛かりな換気設備をしておられません。
囲炉裏部屋だからといって、特別な換気設備は多くの場合必要ありません。


調理の煙について
焼肉などの強烈な煙は、一般的な換気扇や窓の換気では、部屋中に煙が立ちこめてしまい、強い臭気が衣服をはじめ部屋中に何日も残ります。
このような料理は屋外で行う方がよい!という考え方もできますので、大掛かりな換気設備を設けられる前に使い方をご一考ください。
ちなみに強い煙を換気するには、焼肉店のように炭火の真上の近い位置に、専用の換気フードを設ける必要があります。
換気フードは数十万円以上の費用が必要で、部屋の装飾も変わってしまい、せっかくの囲炉裏部屋の風情をなくすことも多いのです。
また、寒い時期は換気した分の暖房も必要で、お店のように大変な設備と余分なエネルギー消費を強いられます。

煙の原因は
炭火料理で出る煙は、主に食材の油が炭火の上に落ちて燃えることによるものです。そのため、いくら上質の木炭を使っても防ぐことはできません。
また、本来の炭火焼きは、この煙の燻煙効果と赤外線で料理を美味しくしているので、煙を防ぐことはナンセンスなのです。
炭火料理は、囲炉裏ではなく、屋外で煙をモクモク立てながら味わう方がよいのです。
このような割り切った考え方で「囲炉裏では煙の出る料理をしない!」という考えで作られることをおすすめします。

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このような煙の出る食材は、
屋外で! 七輪で! と割り切ることが賢明です。









煙を防ぐには
炭火の真上で食材を焼く限り、煙を防ぐ方法は残念ながら無いのです。もし、あれば焼肉店は大掛かりな換気設備から開放されるのですが、実現していません。
煙の出にくい網なども市販されていますが、結果は鉄板のように赤外線も遮断することとなり、意味を感じるものではありません。
煙を出したくなければ、油の落ちない食材を選ぶ(食材の詳細はこちら)か、串を立てて油が炭火に落ちない工夫をするしかありません。
また、赤外線のほとんどを遮断し、炭火料理ではなくなりますが、鉄板や溶岩石で調理すると煙はかなり軽減されます。
これらの道具を使う場合は、別の美味しさがありますので、違う調理方法として楽しまれればよいと思います。

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串を立てて焼くと、油が炭火の上に落ちないので煙りが出ません。










木炭・薪の煙と臭気

木炭
良質な木炭を選べば、煙も臭気もほとんどありません。※一酸化炭素は出ますので換気は必要!
国産の良質な木炭からは煙は出ません。
備長炭は煙・臭気共に、ほとんど気にせず使えます。
一般的なナラ、クヌギなどの黒炭は、必ず臭気がありますので、臭気に弱い人は室内で使えないことも多いです。
煙の出る木炭はほとんどが輸入品の屋外用BBQ木炭で、煙と強烈な臭気があり、室内では使えません。目鼻が痛くなり、気分が悪くなることもあります。

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良質な備長炭はほぼ無臭です。







薪(まき)
薪(まき)の煙ですが、昔の家のように天井をかなり高くして、上部に排煙口を設けるか、暖炉や薪ストーブのように特別な換気・煙突設備を設けることとなります。
昔のように薪を使う囲炉裏とするには、それなりの覚悟が必要です。部屋中が煙に包まれ、ほんの数分間居るだけで衣服に煙の臭いが付きます。
煙たくて、目が痛く、慣れないと咳き込むこともしばしば。もちろん部屋中に樹木のヤニが付着しますので、家財道具の全てを覚悟する必要があります。
火の粉も舞い上がるので防火面でも木炭とは異なる対応が必要です。
もちろん、煙がでるため都心部では無理です。
・・・と言っても何千年も続けてきた昔の生活に戻るわけですので、どのようなものかを知っていればぜんぜん大丈夫ですし、
それを楽しんでおられる方も多数おられます。
薪の囲炉裏をお考えでしたら、まずは薪の囲炉裏を体験されることをおすすめします。





★次へ (囲炉裏・火鉢の断熱へ続く)

Posted by field5392 at 11:39│TrackBack(0)

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