2012年07月23日

囲炉裏・火鉢に どんな灰がよいか?

囲炉裏・火鉢には、昔から一般的に木灰(もくはい)を使います。
最近では代用品としてセラミック灰を使うことも多いです。特に業務用の囲炉裏に人気があります。

藁灰(わらばい)は、特殊な用途を除き不向きです。(ご質問が多いので・・・詳細は下記を)



木 灰 もくはい
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昔から多くの囲炉裏・火鉢で使われてきたのが木灰です。
木や木炭を燃焼させると木灰になりますので、もっとも自然な形かと思います。
囲炉裏や火鉢の灰に求められる、断熱性・火力調整・美しさなど、性能面でこれに勝る灰はありません。

長所・短所
木灰は押し固めることができるので、五徳などが沈まず、しっかり支えることができます。
魚串を立てることができます。※深さ7〜10僂曚鰭要
美しい灰模様を描くことができます。
断熱性に優れ、火力を保つと共に火鉢などの加熱を防ぎます。
炭火の空気調整がしやすく、火力を上げたり、消すことも可能です。
手や衣服を汚したり、道具類にも付着しやすく、周辺の掃除が大変です。
  ※室内を舞う灰は主に燃焼中の木炭から、熱気で上昇する灰ですので、あまり関係ありません。
高価です。特に店舗などで汚れた灰を大量に処分、補充するには負担が大きいです。
灰が付着しやすいので鉄瓶などを灰の上に置くことができません。

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どのような木灰がよいのか?
なにより、放射能や重金属・ダイオキシンなどで汚染されていない安全なものが一番です。
木灰は呼吸で吸い込んだり、食べ物に付着し体内に入りますから、注意が必要です。
原木の産地・生産者のはっきりしない木灰は避けることです。
放射能汚染の詳細はこちら

原木の種類は?
日本の天然広葉樹を原木としていればどんな樹種でもかまいません。
ナラ、カシ、クヌギ、ブナ、シイ、サクラ、ケヤキ、などなど。
日本で販売されている木灰のほとんどが、ナラ、カシ、クヌギ、それらの混合です。
クヌギの灰が最高級
茶室の炉(風炉)ではクヌギの高級木炭が使われるため、クヌギの灰が高級品と勘違いされるようです。
しかし実際には、クヌギ、ナラ、カシの灰を肉眼で識別できる人はいません。
使用してもまったく区別不能ですから、樹種にこだわる意味がないのです。
風炉の灰は何年も手をかけて精製するため上質になるのであって、樹種とは関係ありません。
では、何故、木灰にはそれぞれ色や質感に個性があるのかと言いますと、原木の燃焼方法による差なのです。
※質感は篩(フルイ)にかける時のメッシュの目の大きさでも変わります。

この12種類の木灰は全て、カシ(ウバメガシ)を原木とします。
燃焼温度、時間、酸素量などにより、こんなに色や質感が変わるのです。
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←全て同じウバメガシの木灰です
 長時間高温にさらされた木灰は濃色になります。











セラミック灰
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灰の代用品です。七輪の材料、珪藻土の粉を焼成したものです。
砂浜の砂を軽くしたようなもので、サラサラしていて手や衣服も汚れません。
炭火の燃焼具合も良好で、ローコストで掃除しやすいため飲食店でよく使われます。

長所・短所
手や衣服が汚れず、飛び散っても掃除しやすいです。ペットのいるご家庭にも人気があります。
ローコストです。木灰の1/2の価格ですから、飲食店で汚れた灰を処分・補充しやすく、補充時も灰が舞い上がりません。
無害です。食べられませんが、食べてしまっても安全です。
灰の上に鉄瓶や鍋を置いても汚れません。
押し固まらないので、五徳などは支えられません。下に断熱板などが必要です。
魚串が立ちません。専用の串立てが必要です。
見た目の色、質感が木灰とは異なります。
灰模様も描けますが、曖昧です。
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←触っても手が汚れません。
 五徳を支えるには、断熱用珪藻土板などが必要です。










木灰 or セラミック灰 選択のヒント
個人宅では、70%ほどが木灰
飲食店では、70%ほどがセラミック灰を使っておられます。

室内を舞う灰は同じ
室内を舞う灰は、燃焼中の炭火から生まれた灰が上昇気流にのって飛んでしまったものがほとんどです。
そういう意味では、敷いてある灰がどちらでもあまりかわりません。
セラミック灰は、囲炉裏周辺や衣服が汚れない!というもので、舞い上がる灰は同じなのです。
舞う灰の量は木炭の質により異なりますが、上質な木炭ほどきめ細かい灰ができ、舞い上がりやすい傾向にあります。
炭火に触れなければほとんど舞うことはありませんが、湯をこぼすと最悪です。
個人宅では
個人宅では本物志向も強く、美しい灰模様が描ける、魚串が立つことから木灰に人気があります。
セラミック灰は、大勢の人が出入りするので扱いが雑になる、ペットがいるご家庭に人気です。
特に猫は灰が大好き!で囲炉裏の中に入ります。
飲食店では
飲食店では、客席で炭火焼きを行うか、否かが選択肢の一つです。
客席で焼く場合、油よごれだけでなく、煙草を捨てられたり、醤油や出汁をこぼされたりします。
処分・補充を考えるとローコストで補充しやすいセラミック灰を選択されることが多いです。
お店の人が焼くなら、自分でコントロールできるので、魚串の立つ木灰を使われることが多いです。
炭火の上で脂のある食材を焼かなければ、それほど灰は汚れません。
魚串を立て焼くと、竹串をつたって脂が落ちますので、あまり飛び散ることはありません。




藁 灰わらばい 
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藁灰はあまりおすすめできませんが、お問い合わせが多いのあえて紹介いたします。
モミガラも同様に不向きです。
昔は容易に入手できたので、木灰が無い時は代用されることも多かったようですが、
現在は入手も困難ですから、あえて選択する意味はないと思われます。

不向きな理由
藁灰はフワフワで五徳や竹串を支えることができません。
炭火も潜り込んでしまうので、浅い炉は加熱して危険なこともあります。
断熱性・保温性に優れますが、逆に炭火の火力をセーブすることができません。
もちん灰模様は描けず、すこしの風で舞い上がります。
黒い繊維(藁の炭)が残っていると、煙や臭気がでます。

藁灰を使う時
特に小さな火鉢で、少量の炭火の火力を上げたい時、または装飾的に使われます。
燃焼中の藁に水をかけてあまり燃焼させず、黒い繊維(藁の炭)を残した状態で火鉢に入れ、黒い灰の火鉢として装飾的に使います。より一層の暖かさを演出するのです。
客人を迎える火鉢として、このような風習がるのですが、もともとは茶の湯(風炉)の点前です。
※現在ではトンボ玉などガラス工芸品を冷却するために使われることが多いです。

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