2006年03月23日

囲炉裏と火鉢の違いは?

囲炉裏と火鉢という言葉がどうも曖昧になっているようです。
日本の文化として発達し数百年もの間、区別してきた言葉ですから、できるだけ守りたいものです。


囲炉裏と言った方が売りやすい?
どうやら「火鉢」というよりも「囲炉裏」という言葉の受けがよいのか?火鉢のことを囲炉裏という傾向が強いようです。困ったことに一般的な火鉢を囲炉裏とネーミングした商品まであり、ますます混乱しそうな気配です。
雰囲気や道具が囲炉裏的であったり、大きな炉縁、大きな木製火鉢であれば「囲炉裏」と表現することが当たり前になっています。確かに「火鉢のある家」などと言っても様にならないことも確かで、商業ベースとしてはやむを得ずなのでしょうが、日本の文化を無視することは悲しいものです。

「囲炉裏」にも「火鉢」にもそれぞれに素晴らしい文化があります。
本当の意味を知っていただければ幸いです。



囲炉裏と火鉢の違いは?
囲炉裏は設備、火鉢は移動できる家具です。
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■囲炉裏とは
囲炉裏は竪穴式住居の時代から存在する室内の炉(地炉)がその原型です。
調理、暖房、団欒などの場として家の設備として設けられたものを言います。
風呂場や流し台、便所と同じ、囲炉裏は設備です。
昔炉.jpgふんごみ.jpg







左:囲炉裏はこのような原型ともいえる「地炉」から発展してきたものです。
右:「踏ん込み炉(ふんごみろ)」と言われる腰掛タイプの囲炉裏です。


和田家.jpg和田家外観.jpg







世界遺産 白川郷の囲炉裏「和田家」です。
この大きな建物全体が囲炉裏により暖房され、燻煙により建築材を守っています。


吉島家.jpg
吉島家の囲炉裏
吉島家を見られると文化レベルの高さに驚かれると思います。
明らかな火鉢のことを囲炉裏と呼ぶことに情けなささえ感じるのは
私だけではないと思います。

炭火を使う上品な囲炉裏です。




喜多家.jpg丸火鉢.jpgくりぬき火鉢.jpg松火鉢.jpg







これは喜多家の囲炉裏と火鉢です。昔から囲炉裏の横に火鉢があり、用途別に使われています。
火鉢は運びやすいように「取っ手」が付けられたものもあり、必要に応じて移動されます。ごく一般的な囲炉裏と火鉢の関係です。

●このように囲炉裏は家の設備、設えとして存在するものです。
●囲炉裏にはすごく重要な足元から暖まるという機能があり、火鉢は上半身のみです。
 こういうものを数百年もの間、私たちは「囲炉裏」と言ってきたのです。



■火鉢とは
火鉢は移動できる家具、道具であって、必要な所に必要な数だけ、必要な季節に置かれるものです。
暖房はもちろんのこと、囲炉裏のように食事もできる、今で言う囲炉裏テーブル「関西長火鉢」も昔からあります。
例え魚や肉を焼いても火鉢は火鉢であって囲炉裏ではありません。
瀬戸火鉢.jpg猫足火鉢.jpg長火鉢.jpg








↓これは火鉢です。炉縁があるからといって本来的には「囲炉裏」とは言いません。
囲炉裏風であっても火鉢ですから、「囲炉裏風火鉢」「囲炉裏テーブル」「囲炉裏風座卓」と呼ぶ方が相応しいものです。
囲炉裏テーブル2.jpg囲炉裏テーブルアップ.jpg









このように日本の歴史を見ると「囲炉裏」と「火鉢」は明らかに異なるものです。
容易に移動できて足元が暖まらないものを囲炉裏と言ってしまうのはいかがなものかと思います。
しかし、新たな展開を見せて発展している現在の「囲炉裏」や「火鉢」には、歴史的なカテゴリーに入らないものもあり、
何と呼んでいいのやら???という製品もどんどん生まれてくると思います。
そのためにも本来の意味を知り、最低限の歴史的に間違った言葉を使わないようにしたいものです。




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