2006年03月02日

床下には備長炭を敷かない方がいいかも?

床下に敷く紀州備長炭はありませんか? 時々お客様から問い合わせがあるのですが、私共では床下用として販売いたしておりません。
何故かこういったことを信じている人に話しが通じにくく、電話では伝わらないので、このページにその理由をまとめました。

備長炭=除湿できそう、脱臭効果ありそう、体によさそう・・・というイメージから「床下用備長炭」なる商品が生まれたのでしょうが、下記ご覧のとおり、除湿脱臭効果を期待できないことから、販売をいたしておりません。

※特殊な加工を施した備長炭ではなく、そのままの備長炭でのことです。

■これらの効果についても疑問がありますが、実験したものではありません。
(調湿効果)
湿気を保つための調湿効果はあるかもしれません。備長炭は常に湿気た状態になりますから・・・。
(断熱効果)
備長炭はとても熱伝導率の高い木炭ですから、あまり期待できないと思います。・・・が無いよりマシかも。
一般的な黒炭の方が空気を多く含み断熱性が高いと思われますが、断熱材を用いる方がはるかに賢明かと思います。
(防虫効果)
私共には大量の備長炭がいろんなところにありますが、まったく効果を確認できません。
もし、虫が嫌がるような成分があったら問題でしょう!
湿気を保ち、隠れ家となるので、床下ではかえって虫が増えるように思います。
灰はアルカリ性が強く、木酢液は酸性が強く虫が嫌がりますが、庭に置いた備長炭の上にいる虫は何度も見かけます。
メダカの水槽や鈴虫の鉢に備長炭を入れることはよくあります。
(気分的効果)
思い込みがあれば期待できますが、このページをご覧になると逆効果も有り得るかと・・・。

その他、よい波動がでているとか、気の流れがよくなるとか、その他のことは私にはわかりません。


備長炭の保湿性について
備長炭を床下に敷くと、床下が乾燥するというウソはこちらの実験でわかります。
私の実験によりますと備長炭は、重量の10%ほどの水分を吸収することが可能です。
つまり10kgの完全に乾燥した備長炭なら、最大で1kg(1リットル)ほどの水分を吸収します。
このことは、備長炭の生産者さんもよくご存知で、備長炭1箱15kgを置いておくと16kgになっていた。などよく聞く話です。



実験です
そもそもこの実験は販売のため、効果を測定するために行なったもので、決して否定的なものではなかったのです。
まず、完全乾燥させた備長炭がどのくらいの速度で吸湿するか?という実験です。
紀州備長炭を使用しています。

101.jpg
まず、完全乾燥した備長炭を作ります。

備長炭は天日で干した程度では乾燥しませんので、
鍋に入れて加熱させます。



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この備長炭は生産後間もないものですが、それでも相当な湿気を吸っています。
鍋の上部やフタに水滴が溜まります。
完全に水蒸気が無くなるまでよく加熱します。




103.jpg
ほぼ完全乾燥した備長炭3kgを測ります。
(カゴの重さは秤で調整済みです)




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カゴに入れて室内に放置します。
7月15日→3000g




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7月16日→3050g

夏季で湿度が65%もあるため、翌日にはすでに50gも吸収。
50g=50ccですから、けっこうな量です。



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7月30日→3200g

ペースは衰えますが、15日で200g、コップ1杯の水を吸収。



時間と共に吸収スピードが衰えますが、超多湿状態ですと最大で300g(自重の10%)ほどを吸収します。


■乾燥剤として使えるのか?
ご覧のとおり、備長炭は水分を吸収します。
しかし、湿度を持った備長炭は、乾燥した冬の間でも水分を保ち、一冬放置しても3200gの備長炭は3120gにしかなりませんでした。
200g中80gの減です。この量なら、湿気た日が数日続くとまた飽和状態です。
天日で1日干した程度では水分は完全に抜けないこともわかりました。
もう少し乾燥しやすければ加湿効果を期待できるかもしれませんが、おおよそ一方通行なのです。
完全に乾燥した備長炭なら、優れた吸湿性を一度だけ発揮しますが、現実的ではありません。
一方通行ですから調湿効果も期待しにくい上、わずか80gを放出するのに、数ヶ月とあまりにも時間がかかりすぎるのです。


床下乾燥の効果は
上記の通り床下乾燥のために備長炭を敷く効果はないと思います。
その理由は、もうお解りの通り、備長炭は一度吸湿した水分を簡単には放出しないため、吸湿量には限度があるため、です。
除湿の効果があるとするなら、梅雨の時期から9月ごろまでの2〜3ヶ月間は常に相当量の吸湿を続け、翌年にはまた元通りに乾燥していなければならないと思いますが、そのようなことはまったく無理です。
市販の押入れ乾燥剤なら、溜まった水を人間が捨てますが、備長炭に溜まった水は誰が捨てるのでしょう?
もし、床下の乾燥を目的とするなら、いつまでも水分を蓄えることになりますので備長炭などを敷かない方がよいです。夏に蓄えた水分は冬でも完全に放出されませんから、当然のことながら、次の夏も最初から多湿を保つことになります。むしろ何もなければ、晴れた日には乾燥した空気が通りぬけるかもしれません。
しかも、床下用として市販されている備長炭は、長期保管されたものも多く、既に吸湿しているので、1回だけの除湿効果があるかさえ疑問です。
燃料とされる場合は、湿気た備長炭は爆跳するので、お客様の苦情対象となるのですが、床下に敷くお客様はそのようなこともご存知なく、気付かないことも多いと思います。
備長炭は段ボール箱に入れているだけでは、日々どんどん吸湿していますから、お客様の手元に届く頃は既に飽和状態かもしれません。
一回だけの効果を期待するにも、密封するなどの製品管理が必要です。
上のように鍋で加熱させてもわかりますが、火起こし器で着火させて、パンパン、パチパチ爆ぜる(はぜる)ようでしたら、まず飽和状態です。
床下の乾燥には、換気口や換気扇を設ける方がはるかに効果的かと思います。


脱臭効果は
備長炭は臭気を吸い取ります。数ヶ月室内に放置したもの、冷蔵庫に入れておいたものは、相当な臭気を吸着しています。備長炭の空孔に臭気の分子が吸着されるためです。
この原理を使って、冷蔵庫の脱臭剤が市販されています。
これを実感するには、放置していた備長炭を加熱させることです。備長炭は加熱させると空孔を開き、臭気の分子を空気中に解き放ちます。
室内で加熱させると強烈な臭気で、大変なことになります。容易に体験できます。
・・・・で、床下での脱臭効果ですが、お察しの通り、1回だけなのです。
市販の脱臭剤は効果がなくなると取替えます。市販品は空孔の数を増やすため粉状になっていますが、それでも空孔の数が限られていて、いっぱいになると吸着しなくなるので交換が必要です。

床下の備長炭を取替えますか?


残念ながら、湿気を含んだ、臭い、備長炭がいつまでも床下に保管されることとなるように思いますが、いかがでしょう
私なら自分の家に備長炭を敷き詰めたくありません。少なくとも他にもっとよい方法があると思いませんか?
・・・なので売ることができないのです。というかセールストークがないのです。



宣伝になりますが、私共で販売している燃料用紀州備長炭は、湿気や臭気を吸い込まないようにビニール袋に入れて販売しています。
一度だけなら、湿気や臭気を吸い取るので、爆跳や悪臭の原因となり、燃料として使うには不都合なのです。
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紀州備長炭の販売は紀州備長炭本舗へ


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