2017年02月13日

空冷式の囲炉裏・火鉢

  
最高の断熱材は空気です!
物質の加熱は分子の振動により起こります。電子レンジはその応用です。
そのため、分子ができるだけ少ないものが過熱しにくく、つまり「空気」が最高の素材となるのです。
現存するもっとも優れた断熱材は魔法瓶や冷蔵庫に使われる真空断熱(空気が薄く分子が極めて少ない状態)ですが、
今のところ囲炉裏や火鉢での使用は現実的ではありません。


そのため耐火性があり、多くの空気を含む軽いものが優れた断熱材ということになりますが、
材料の形状や強度、加工性、コストを考えるとそれほど多くありません。
特にボード状の断熱材はケイカル板くらいしかないのが現状です。


断熱材は時間稼ぎに過ぎない!

しかし、この空気も曲者で、断熱性は高いといっても、閉じ込めた状態で加熱するといくらでも高温になります。
炭火による加熱が長時間続く場合、空気を閉じ込めた断熱材は時間稼ぎに過ぎないのです。
「加熱 > 放熱」であればどんどん高温になり、可燃物を燃焼させてしまいます。

そこで有効なのが空冷式です。
バイクのエンジンやパソコンなどと同様に、冷たい空気を常時流入させる方法です。
冷たい空気は無制限にありますので、時間に関係なく一定の断熱効果があります。



◆空冷式

鉄炉の四方上部に空気孔を作ります。

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穴を開けた床に鉄炉を置き、その上に囲炉裏框(かまち)を置きます。
鉄炉の底や側面が加熱すると、熱い空気は上昇するため空気口から排出され、
常に床下の冷たい空気が流入します。


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このような囲炉裏コーナーで床下が閉鎖されていたり、空気の流れない囲炉裏テーブルで有効です。
一階の解放された床下ではもともと空気の流れがあり、空気孔があると冷たい空気が室内に入りすぎたり、
虫が侵入することもあるため、空気孔は設けない方がよいと思います。

ほたる囲炉裏01












囲炉裏木部と鉄炉側板の距離は1〜2僂曚鼻
炭火の赤外線で鉄炉の側板が加熱、それに伴い木部も加熱してしまうため空気孔を設けています。
下部に空気の入る隙間があります。


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こちらの火鉢も側板の加熱を防ぐため、空冷方式にしています。
鉄炉の底には灰があり断熱されますが、側板は炭火の赤外線をさえぎるものがなく、かなり高温になるのです。
このような形状の囲炉裏や火鉢は、底よりも側板が熱くなるのです。
※下に同タイプ火鉢の加熱実験があります。

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これは鉄炉の四方上部の隙間から空気を抜くタイプです。
下側の隙間は空気の取り入れ口です。

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空冷式の火鉢 加熱状態の一例です


鉄炉の左右35僂硫佝で、通常より多い炭火を使用しています。
側板と炭火の距離は10僂曚鼻


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(炭火を入れる前)
側板表面温度は7.8度 赤いポインター2点の部分で温度を測っています。

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炭火の温度は761度

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鉄炉裏側、鉄炉から1僂曚瀕イ譴唇銘屬鵬硬抃廚鮴瀉
鉄炉側板と木板の間に2僂龍間があり、この空間を空気が流れます。

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(炭火を入れて2時間後。ピーク時。)
鉄炉表面は175度、空冷されている鉄炉裏側は61度
当然、木板内側表面の温度は61度以下となり安全です。
この条件ではこの時が最高温度で、以後は炭火の火力低下と共に下がります。
断熱材と異なり、空冷は常に空気が入れ替わり、一定の効果が続きます。

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炭火の量や側板までの距離などで温度が大きく変わります。
一つの事例としてご覧ください。













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2017年02月06日

特殊な紀州備長炭

朴の木(ホオノキ)の紀州備長炭

かなり珍しい、特殊需要の紀州備長炭です。
朴の木の葉は、朴葉寿司や朴葉味噌に使われるのでご存じの方も多いと思います。
とても比重が小さく、ウバメガシの半分ほどの重量しかなく、柔らかい炭質です。
この柔らかい炭質を活かして工場でアルミの研磨に使うのだそうです。
火力はなく燃料にはならないようで、もちろん一般流通はしていません。
特別オーダーがあるとホウノキだけを窯につめて製炭されますが、製炭方法の基本は同じだそうです。

灰着きがよく、いかにも白炭という感じです。
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これも定義上は紀州備長炭ですが、語弊があるかもしれませんね。
※紀州備長炭に原木の定義はありません。詳細はこちら





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2017年01月27日

囲炉裏・火鉢の断熱とは?

囲炉裏・火鉢の断熱について考えてみたいと思います。


囲炉裏・火鉢の断熱に求められる性能は、
〇炭火の接触付近では火力を保ち無駄に熱を逃がさない「保温」。
〇少し離れた場所では安全のため熱を伝えない「放熱(冷却)」性能が求められます。



断熱材について

そもそも一般的な断熱材(保温材)には様々な素材のものがあります。 

発砲スチロール、羽毛、綿、化学繊維、グラスウールなどなど・・・。
耐火性のあるものでは、石膏ボード、ケイカル板、断熱レンガ・珪藻土、軽石、木灰など・・・。

これらの素材に共通するのは、空気をいっぱい含むこと。そのため、 断熱材 = 軽量 ということになります。
熱は分子の振動で伝わりますので、分子の少ない空気が最もよいのです。
現実的ではありませんが、最高の断熱材は魔法瓶に用いられる「真空状態」で、ほとんど分子のない状態ということになります。
いずれにしても空気なしでは断熱できず、断熱は空気をコントロールすること、と言っても過言ではありません。

しかし、空気だけでは、伝導熱は防げても輻射熱(赤外線)は防ぎにくいのです。
そのため、赤外線を通しにくい素材と空気の組み合わせ、かつ耐火性のあるもの。
さらに、簡単に加工でき、ローコストな市販品となると、それほど多くの材料はありません。

断熱材の詳細はこちら




◆断熱材の放熱(冷却)について

何かに閉じ込められ、放熱できない断熱材は時間かせぎにすぎません。
炭火を大量に使い、【放熱<加熱】 の状態が長時間続くと、断熱材は限りなく炭火の温度に近づきます。
そのため、断熱材は放熱が必要なのです。  詳細は こちら 断熱材の加熱 をご覧ください。
周囲に可燃物がある場合、必ず放熱の対策が必要で、放熱がなければ火災の危険性があります。
小さな木製火鉢には、大した断熱性能のないものがほとんどですが、使用する炭火の量が少ないため、
【放熱>加熱】となり大丈夫なのです。




◆放熱の方法

空冷以外に方法はありません。
唯一、近いものとして水コンロの「水冷」がありますが、囲炉裏や火鉢では現実的ではありません。

最も肝心なことは、空気の対流を作ることです。
空気を閉じ込めてしまうと、断熱材と同様にいくらでも高温になります。

加熱された空気は上昇しますから、その性質を活かせば常時空冷が可能です。
加熱される断熱材のなるべく上部に、空気の放出口、なるべく下部に取り入れ口を作ります。
例えば、木製の壁面を断熱したい場合、壁と2僂曚匹侶箚屬鮖たせて耐火ボードを貼ります。
耐火ボードの下に隙間、上部にも隙間があれば、熱い空気は上に抜け、冷たい空気が下から流入します。
この現象は絶え間なく続きますので、大変有効な冷却方法です。


最も簡単で単純な方法は、断熱材をむき出しで使うことです。片面は加熱、片面は放熱という状態です。
火傷の危険性がなく装飾的に問題なければ、一番おすすめの方法です。
例えば、囲炉裏の炉(オケ)が銅板でできていれば、炉の側面に空間を設け、底面は解放状態にすればよいのです。
熱伝導率の高い銅板と可燃物を接触させず、解放状態にすることで自然に空気が流れます。






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Posted by field5392 at 13:04TrackBack(0)